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森田 洋右; 萩原 幸
JAERI-M 83-119, 44 Pages, 1983/08
軽水炉型原子力発電所用電線・ケーブルは高度の難燃性に加えて、熱および放射線に対する安定性、さらにLOCA環境においても十分な性能を保持することが必要とされている。上述のような要求を満足する一般用の難燃耐放射線性有機絶縁材については、すでにJAERI-M-82-057に報告した。本報告はこれにひきつづき180C耐熱グレードの高温用炉用絶縁材料の開発を目的として、耐熱性の高いゴム材料であるジメチルシリコーンゴム(DMS)のブレンド法による耐放射線化を検討した。DMSと他種ゴム(エチレン-プロピレン-ジエン共重合体ゴム(EPDM)およびテトラフルオロエチレン-プロピレン交互共重合体ゴム(Copoly(TFE-P))とのプレンドによってDMSの耐放射線性は向上し、さらに、ブレンドゴムの中でも耐熱性と耐放射線性を兼ね備えたDMS-Copoly(TFE-P)ブレンドゴムについて、これを絶縁体とした電線を作製して、PWR模擬環境劣化試験(熱処理(220C、4日間)放射線照射(200Mrad)水蒸気暴露(150C、1日間))を行ないその性能をたしかめた。
森田 洋右; 萩原 幸
高分子論文集, 40(10), p.683 - 690, 1983/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Polymer Science)ジメチルシリコーンゴム(DMS)の耐放射線性の向上を目的として、DMSと他種ゴムとのゴムブレンドを検討した。耐放射線性は成形したゴム試料にCo-線を照射し、引張試験および動的粘弾性測定を行ない評価した。DMSとエチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)とのブレンド物では、EPDMの耐放射線性が優れているためにEPDM量が増すにつれてブレンド物の耐放射線性も単調に向上した。これに対し、DMSとテトラフルオロエチレン-プロピレン交互共重合体(Copoly(TFE-P))のブレンド物の耐放射線性は容積比約1:1のところで極大を示した。これは放射線照射により、DMS中に細かく分散したCopoly(TFE-P)は酸化劣化して軟化し、一方DMSは架橋して硬化するために、ブレンド物では両者の物性変化が互いに補償しあって高線量照射(100~200Mrad)においてもゴム的性質を保っていると結論された。なお、DMSの耐放射線性は50~70Mradである。
松田 修; 渡辺 光崇; 田畑 米穂*; 町 末男
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 18, p.1325 - 1337, 1980/00
既報のメチル,,-トリフルオルアクリレート(MTFA)・-オレフィン交互共重合体中のエステル基濃度をコントロールする目的で、MTFAとテトラフルオルエチレン(TFE)と-オレフィンの放射線三元共重合を25C,塊状で行った。これらのモノマーは広いモノマー組成範囲で-オレフィンを常に50モル%含む三元交互共重合体を生成する。この結果、モノマー混合物中のMTFA/TFE比を変化することによりフルオルオレフィン(MTFA,TFE)と-オレフィン間の交互構造を失うことなくポリマー中のMTFA含有量すなわちエステル基濃度をコントロールすることができる。本報告では、遊離モノマー機構および錯体機構に基づく動力学的解析によりMTFAとTFEの相対反応性比を議論した。その結果、本三元共重合においてはMTFAの反応性はTFEよりも大きいことが明らかになった。
松田 修; G.K.Kostov*; 田畑 米穂*; 町 末男
J.Appl.Polym.Sci., 24(4), p.1053 - 1059, 1979/00
被引用回数:9,,-トリフルオルアクリロニトリル(FAN)の単独重合および-オレフィンとの共重合を25Cにおける線照射により塊状で行なった。FANはごく少量の褐色グリース状の低分子量ポリマーを生成した。FANポリマー中のシアノ基は大気中で容易に加水分解し、酸アミド基に変化した。FANはエチレン、プロピレンおよびイソブチレンとラジカル機構で共重合し、広いモノマー組成範囲で等モル組成の共重合体を生成する。重合速度はモノマー混合物中のFAN含有率とともに直線的に増加する。これらの共重合体もまた大気中で加水分解するが、高級-オレフィンとの共重合体ほど加水分解しにくくなる。FAN-エチレン系におけるモノマー反応性比はr(FAN)=0.01,r(エチレン)=0.12,FAN-プロピレン系ではr(FAN)=0.01,r(プロピレン)=0.07であった。これらの結果はFAN--オレフィン系では交互共重合が起こることを占めしている。
松田 修; 渡辺 光崇; 田畑 米穂*; 町 末男
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 17(6), p.1789 - 1793, 1979/00
放射線によりメチルトリフルオルアクリレート(MTFA)とエチレンの共重合を行った。反応は塊状重合により25C、5.010~1.010rad-hrの条件下で行った。広いモノマー組成範囲にわたってほぼ等モル組成から成る交互共重合体が生成する。等モルモノマー組成において最大の重合速度が観察された。重合速度の線量率依存指数は1.0であった。モノマー反応性比はそれぞれr(MTFA)=0.034,r(エチレン)=0.14と決定された。
松田 修; 渡辺 光崇; 田畑 米穂*; 町 末男
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 17(6), p.1795 - 1800, 1979/00
放射線によりメチルトリフルオルアクリレート(MTFA)とプロピレンの共重合を行った。反応は塊状重合により、-6~50C,5.010~1.010rad-hnの条件下で行った。広いモノマー組成範囲にわたって等モル組成から成る交互共重合体が生成し、これらはゴム状重合体である。重合速度の線量率依存指数は1.0であった。モノマー反応性比はr(MTFA)=0.003,r(プロピレン)=0.008と決定された。ラジカル生成のG値は1.78、重合のG値は1336であった。重合の見かけの活性化エネルギーは1.1kcal-moleで、放射線重合として妥当な値を示した。
G.K.Kostov*; 松田 修; 渡辺 光崇; 町 末男; 田畑 米穂*
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 17, p.3991 - 4001, 1979/00
温度-78~40C、線量率510~510rad/hr、モノマー組成イソブチレン/プロピレン比40/10~5/45(モル比)の条件下で、テトラフルオルエチレンとプロピレンとイソブチレンの線三元共重合を塊状で行った。種々のモノマー組成において、テトラフルオルエチレンと-オレフィン(イソブチレンとプロピレン)の交互三元共重合体が生成した。イソブチレン/プロピレン比が15/35以下であるとき、共重合体は非晶性であるが、共重合体中のイソブチレン量が増すにしたがい、結晶性も増した。40Cにおける重合速度および共重合体の極限粘度の線量率依存指数はそれぞれ0.8および-0.2であった。重合の活性化エネルギーは2.4kcal/moleであった。フリーモノマー機構を仮定した場合、成長鎖のテトラフルオルエチレンラジカル末端に対するイソブチレンとプロピレンの相対反応速度比は4.50であった。
石垣 功; 渡辺 祐平; 伊藤 彰彦; 林晃 一郎*
J.Macromol.Sci.,Part A, 12(6), p.837 - 851, 1978/00
チオフェン(TP)と無水マレイン酸(MA)の放射線共重合を研究した。種々な溶媒のなかで最も高い重合速度を与えるクロロホルムを用いて本系の基礎的検討を行い、線量率、重合温度、モノマー組成濃度の影響を明らかにした。本共重合はラジカル機構で進行し、停止反応は生長鋭ラジカルの2分子停止が支配的であること、活性化エネルギーは約5.3kcal/moleであることなどを明らかにした。TP,MAともに、それぞれ単独では放射線重合しないが両者を共存させた場合にのみポリマーが得られ、当モル組成のときに最大の重合速度が得られること、CCl,CHClなどの塩素を含有した溶媒では比較的高い重合速度を与えることが明らかになった。生成ポリマーのNMR判定によりTPとMAがほぼ1対1に共重合し、しかも交互性のあることが判明した。